どうも! ロボットのように働くアラフォー会社員、ろいどです!
今回ご紹介する本がこちら⇩
『発達障害サバイバルガイド』
- 著者:借金玉
- 発行:ダイヤモンド社 2020年7月29日 初版発行
- ページ数:318
- 定価:(本体1500円+税)
- 難易度:★★★☆☆(普通)
ここ2、3年で発達障害というものが身近になった私。息子が小学3年のときに発達障害(ADHD、ASDの混合型)と診断されました。
それをキッカケに自分自身も発達障害の傾向があると気付き、自覚するようになりました。
発達障害と向き合うことで、考え方や生活が変わり始めた矢先の私には、この本が書店の棚でひときわ目立って見えました。
「私や息子の困り事が少しでも解決できれば」という思いから、この本を手に取りました。
この記事では、この本に興味を持たれた方に向けて「どんな本なのか?」をお伝えするとともに、私なりの感想を書いていきます!
ASD(自閉症スペクトラム:社会性・想像力・コミュニケーションに困りがある)
LD(学習症/学習障害:聞く・話す・読む・書く・計算する・推論するのに困りがある)
ADHD(注意欠如多動症/注意欠如多動性障害:多動性・衝動性・不注意の特長がある)
『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のラクラク笑顔になる108の子育て法』P22より
こんな方にオススメの本
- ADHD/注意欠如 多動症やASD/自閉スペクトラム症の方
- 「あたりまえ」がやれない生きづらさを感じている
- 発達障害者が生きるために何が必要なのか知りたい
- 発達障害からうつを発症している
- 人生に大失敗したが再起したい
『発達障害サバイバルガイド』てどんな本?要約・書評
できないことはできない、ないものはない、いつだってそこから始めてしていくしかない。
本書P91より
この言葉の通り、本書では発達障害を治すというよりも、障害をかかえたままうまくやっていくという考え方を軸としています。
そして、生きづらさを感じている発達障害の方や発達障害グレーゾーンの方向けの「生活術」が書かれていました。
著者ならではのリアルな発達障害者の特性を踏まえたうえでの合理的な生活の知恵がたくさん盛り込まれています。
また、実際に借金を抱えている著者自身の実体験や知人の例を元に、「貧乏でもやっていく技術」として貧困から抜け出すための考え方や方法についても書かれていて、とても参考になる内容でした。
こういった発達障害に関係なく純粋に為になることも多く書かれているし、あるあるな事象などは普通に共感できて、全体を通して楽しめる本だという印象でした。
発達障害とは?
そもそも発達障害とはどんなものなのか?
ピンとこない方も多いと思うので、本の中で書かれていた特徴をいくつか挙げてみました。▼
- タスク3つ以上でパニックになる。
- 風呂に入れないことが多々ある
- 物を無くしやすい
- 部屋をきれいに保つことが苦手
- 「めんどくさい」感情に勝てない
- 決断の連続に消耗し疲れてしまう
- アルコールなどの依存に弱い
- 過集中に陥いることがある
- 人との距離感を掴むのが苦手
- 感覚過敏(皮膚感覚、聴覚、視覚等どれが過敏かは人それぞれ)
- 洗濯を干す、畳む、収納が苦手
- 料理のレシピが覚えられない
これらを見て「他人事とは思えない!」という方は、発達障害を疑ってみても良いかもしれません。
発達障害は様々な特性がありますが、主なものとしては、ADHD(注意欠如・多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム障害)、LD(学習障害)の3つがあります。
ちなみに著者はADHD、ASDの混合型のようで、偶然にも私の息子と同じタイプの発達障害者です。
『発達障害サバイバルガイド』を要約
この本では8つのCHAPTERに分けられています。その8つの項目に沿って私なりに内容をまとめたモノが次の通り▼
この本にどんな事が書かれているかをざっと把握できるかと思います。
CHAPTER①生活環境
・極貧生活を抜け出すための設備投資、健康への投資
・「知的生産拠点」を持とう
・汚部屋からの脱出
・「いつも何かを探す人生」を断ち切る
CHAPTER②お金
・僕らなりのお金との付き合い方
・クレジットカードのススメ
・多重債務生活を終わらせて貯金をするための方法
CHAPTER③習慣
・決断疲れ、風呂に入れない病の対策
・目覚めや睡眠について
・アルコール依存を止める
CHAPTER④在宅ワーク
・在宅ワークの問題点と対策
・「儀式」でオンオフの切り替えを
・ホワイトボードのススメ
・人間関係の維持について
CHAPTER⑤服
・皮膚感覚において感覚過敏という問題を踏まえたうえでの「服との付き合い方」
・社会的な観点を重視しつつ著者が行き着いたスタイル
・洗濯や収納についての考え方と服の管理
CHAPTER⑥食事
・過去に飲食で働いてた著者による調理理論
・調理ケトル、食洗機のススメ
CHAPTER⑦休息
・休む技術の必要性について
・良質な現実逃避の方法
・お金がかからず楽しめる娯楽とは
CHAPTER⑧うつ
・著者の体験から学ぶ「どん底から再起する」技術とマインド
・実現できない一発逆転プランより、現実的で小さな一歩の継続を
・「向いていない仕事」を徹底的に避ける
・睡眠時間とうつ状態について
・「死ねばいいや」の麻薬に頼らない
・今、「うつの底」にいるあなたへ
『発達障害サバイバルガイド』を読んだ感想・気付き
私はこの本に出会う前から、息子や自分自身の発達障害と向き合い、今後の将来を真剣に考えてきたつもりでした。
しかしこの本を読んで、著者が今までしてきた体験や思い、考え方を知り、自分自身の発達障害に対する理解が足りていないことを痛感しました。
私はいままで、息子や自分自身の苦手とする様々な事を、どうカバーしていったらいいかを考えながら生活してきました。
しかし、著者は「できないものはできない」と完全に諦めることを受け入れたうえで、どう生活するかを考えているのです。
それは私にとってかなり衝撃的でした。
諦めることを受け入れるということは、私にとっては踏み絵のようなものです。
なぜなら、自分自身を諦めたくはないし、特に成長途中の息子を諦めるなんてことは考えられないからです。
それでも今後の状況によっては、著者のような方針に考え方を切り替えていく必要があるだろうし、その覚悟はしておかなくてはならないでしょう。
幸いにも、私や息子は発達障害による精神的な苦しみは、著者ほどのレベルには達していないのかなと思います。
それでもこの世の中には、本書に書かれているような発達障害の二次障害とされるうつ病で苦しんでいる人がいます。
「そんな方を助けたい!」という真剣な著者の気持ちが、最初のページをめくったところから伝わってきます。そのページがこちら▼
発達障害の先にある本当に注意すべき問題はこの二次障害であり、これが本書を読んだことによる1番の大きな気付きでした。
そしてこの本がより多くの人の助けになればいいなと心から思いました。
『発達障害サバイバルガイド』著者紹介
借金玉 (しゃっきんだま)
1985年、北海道生まれ。ADHD (注意欠陥・多動性)と診断されコンサータを服用して暮らす発達障害者。二次障害に双極性障害。幼少期から社会適応がまるでできず、小学校、中学校と不登校を繰り返し、高校は落第寸前で卒業。極貧シェアハウス生活を経て、早稲田大学に入学。卒業後、大手金融機関に就職するが、何一つ仕事ができず2年で退職。その後、かき集めた出資金を元手に一髪逆転を狙って飲食業界で企業、貿易事業等に進出し形を高くか。1時は従業員が10人ほどまで拡大し波に乗るも、いろいろなつらいことがあって事業を貼った。2000万円の借金を抱える。飛び降りるためのビルを探すなどの日々を送ったが、1年かけて「うつの底」からはい出し、非正規雇用の不動産営業マンとして働き始める。現在は、不動産営業とライター・作家業をかけ持ちする。著書に『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』(KADOKAWA)がある。
最終ページ著者紹介より
『発達障害サバイバルガイド』の商品リンク
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