どうも!ロボットのように働くアラフォー会社員、ろいどです!
今回ご紹介する本がこちら⇩
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』
- 著者:古賀史健
- 発行:星海社新書 2012年01月25日 初版発行
- ページ数:276
- 定価:(本体840円+税)
- 難易度:★★★☆☆(普通)
今回も文章術の本の書評になります。
著者は古賀史健さん。『嫌われる勇気』というベストセラーがありますが、その著者でもある方です!
フリーランスのライターをされていて、その現場で身につけた実学による文章術が、この本には書かれています。
そして、なぜこの本を読んだのか?
今回もマナブさん(インフルエンサーの伴内学さん)がオススメしていたからという理由です!
最近は文章力を上げたくて、この手の本を立て続けに読んでいます!
読んだ結果としては、マナブさんをはじめ、いろんな方がオススメしているだけあってとても学びの多い本でした!
こんな方にオススメの本
- 話せるのに書けない!
- 文章をどう展開していいか、よくわからない!
- 書くことが多すぎて、絞りきれない!
この記事では、私の感想を交えながら『どんな本なのか?』を書いていきます!
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』てどんな本?要約・書評
本書は講義形式で構成されていて、その講義内容は次の順のとおり。
- ガイダンス
- 第1講 リズム
- 第2講 構成
- 第3講 読者
- 第4講 編集
全体を通して話し言葉を書き言葉に変換するノウハウを学べる授業になっている。
ここからは講義内容ごとに私なりの要約を書いていきます!
ガイダンス
まず最初に「頭のなかの思考を言葉に"翻訳"したものが文章である」と主張している。
そして、この"翻訳"という作業がこの本のメインテーマ。
要するに『翻訳=書く技術』であり、「書く技術を身につけることが考える技術を身につけることに繋がる」ということ。
この"翻訳"する力を鍛えるための練習法として「聞いた話を誰かに話す」ことを著者は勧めている。
それによって得られる3つの再が次のとおり。
- 再構築
言葉にするプロセスで、話の内容を再構築する - 再発見
語り手の真意を「こういうことだったのか!」と再発見する - 再認識
自分がどこに反応し、なにを面白いと思ったのか再認識する
さらに、翻訳のトレーニングとして紹介されているのが次の2つ。
- 地図を言葉で説明する
- 絵や写真を言葉で説明する
著者にとって文章力は「生涯にわたって身を助けてくれる武器」と語っており、さらに「文章力という武器を手に入れておくことは、将来に対する最大級の投資になる」と断言している。
第1講 リズム
ここでは文章のリズムについて語られている。
この"文章のリズム"とは『文章の論理展開が正しいこと=リズムのいい文章』ということ。
つまり、『整っている=リズムがいい』と考えるとわかりやすい。
それをふまえて、文章の見た目を考えるという意味で、「視覚的リズム」についてのポイントが次の3つ。
- 句読点の打ち方
句読点は文字間の縦の圧迫感を解消 - 改行のタイミング
改行は行間の横の圧迫感を解消 - 漢字とひらがなのバランス
字面そのものが持つ圧迫感を解消
次に、文章をチェックする際は音読することを勧めており、そのポイントが次の2つ。
- 読点の位置を確認する
頭の中で想定していた「こう読むに違いない」というリズムと、耳から入ってくる音のリズムに大きなギャップを感じるはず。 - 言葉の重複を確認する
同じ接続詞が近すぎる場所に出てくるのも禁物
「とても」「かなり」「非常に」など。
【断定について】
「なかなか態度を明確にせず、歯切れの悪い物言いに終始している文章はリズムが悪い」として、断定する文章の必要性が語られている。
- 断定の言葉にはそれ自体に勢いや切れ味があり、それゆえにリスクが伴う。
- 対策として、断定する箇所の前後を、しっかりとした論理で固める。
- 断定を使った文章では、いつも以上に論理の正確性が求められる。特に断定した箇所の前後2~3行には細心の注意を払う。
第2講 構成
「ビジネス書や学術系の実務的な文章」の場合には、『起承転結』よりも『序論、本論、結論』の3部構成のほうが書きやすい 、との主張。
- 導入(序論)
今からなにが始まるのか?客観的な状況説明 - 本編(本論)
主観的な意見、仮説 - 結末(結論)
客観的な視点に立って論をまとめていく
特に著者は"導入"を超重要視しており、「どうやって観客を椅子に座らせるのか?」と映画に例えて導入の役割を説明している。
そして、3つの導入の型を紹介。
- インパクト優先型
核となる部分を見せるが、前後の文脈を断ち切り、関心の導線として侵入させる。 - 寸止め型
核となる部分は見せず、ただひたすら周辺情報を盛り上げることで、読者の「見たい」や「知りたい」を喚起させる - Q&A型
導入だけで問いと答えが揃っている。早く情報提供してしまい、続きの詳しい説明に耳を傾けさせる。
次に『論理的な文章』についてのポイントを2つ。
- 主張が明確になることで文章全体が読みやすくなる
- 自分の文章のなかに、主張、理由、事実の3つがあるか?そしてその3つはしっかりと連動しているか?
さらに、『文章の説得力を強化する方法』として"面倒くさい細部の描写"の重要性を強調。
これは要するに、映像が思い浮かぶような細かい状況説明を書くということで、いくつもの具体例を上げながら説明している。
また、「構成とは眼で考えるもの」と主張するなかで、思考を可視化するために"構成の絵コンテを作る"というプロセスを紹介している。
これは、かつて映画制作を夢見た著者ならではの発想であり、本書の節々で映画にちなんだ例えが使われている。
続いて「構成においての文字量」についてだが、序論2:本論6:結論2 という割合が無難である、としている。
第3講 読者
本書では、「読者の気持ちを考える」ことを「読者の椅子に座る」という言い方で表現している。
この第3講では、読者にどう読まれるか?どう読ませるか?についての内容。
まず、我々が読者の椅子に座って書きやすい方法として勧めているのが、「10年前の自分」、つまり過去の自分に向けて書くこと。
そうすることで、切実な「伝えたい!」という思いにより、必ず読み手に届くのだと主張。
また、伝わりづらい文章の例として、
- 多数派に向けた文章
- 専門性に溺れた文章
の2つを挙げ、その理由について説明が書かれている。
⇧まだまだ未熟な私は、かなり当てはまる部分がありました。。。
"読者の姿勢を変えること"が必要だと主張し、そのための方法が「起"転"承結」。
「起"転"承結」とは
冒頭に一般論→"転"としての疑問を投げかける→読者の興味を引きつける→検証作業→結論
一般論が否定されることによって「どんな議論が展開されるんだ?」と興味を引くことができる。
(転のところに仮説や逆説を放り込んでもいい。)
さらに、「読者は説得されたいのではない、自らの頭で納得したいのだ」という、読者心理を提示。
その上で、読者が納得するための手法が次のとおり。
『自分の文章を読んだ読者がどんな反論をしてくるか考え、先回りしながら自分ツッコミを入れる』というもの。
まず自分の主張とそれを支える理由や事実を述べ、その上で自分の文章を客観的に読み返して、どんな反論が出てくるか考える。
- 論の展開に強引なところはないか?
- 誤解を招く表現はないか?
- 結論を急ぎすぎてはいないか?
- 自分はこの主張にたどり着くまで、どんな回り道をしたか?
これらの考えられる反論を書いていくことで、文章の「強さ」を高める効果がある、としている。
続いて、参考になったポイント⇩
【ビジネス書や教養書、またそれに類する雑誌やブログで読者が求めるもの】
①目からウロコ「おお、ええーっ!」
- いまの自分を変えたい
- こういう人間になりたい
- 現状を打破したい
- 刺激が欲しい
- 感動したい
②背中を後押し「そうそう」「よしよし」
- 自分の考えが間違ってないことを確認したい」
- 迷ってる自分の背中を押してほしい
③情報収集「ふむふむ」「なるほど」
- 世間の平均的な意見を知りたい
- 専門家の客観的な認識を知りたい
(賛成と反対の様々な情報を集め、最終的には自分で判断しようと考えている)
自分的に意外だったのが次の主張⇩
自分の好きなものに関する原稿は、意外なほど書きづらい。
一方、「自分にとってまったく知らないもの」や「これまで関心がなかったもの」の原稿は書きやすい。
第4講 編集
ここでは推敲について書かれているが、「推敲とはハサミを使った編集である」としており、発想としては"引き算"で考えることを勧めている。
その手順が次のとおり。
① 頭の中を可視化する
思いついたことを紙に書き出す。
↓
書き出した10個には、なんらかの"傾向"がある。
↓
内容をそれ以外のことに限定し、さらに書き出す。
②自分に何重もの疑いの網をかける
- それで面白い文章が書けるか?
- 紙に書き出さなくても大丈夫か?
- 本当にこれですべてか?
③編集(推敲)のポイント
- 「なんか違うな」と思ったとき、けっこうな確率で「もったいないから残した一部」が紛れ込んでいるはず。
- どれだけ自分の「もったいない」や「せっかく書いたのに」を退け、文章を削ることができるか。感情に流されることなく、冷静に判断。
- "が"を多用しているようなら、削るか、別の言葉に言い換えられないか考える。
- 自分の文章を図にすることはできるか?(論理的な文章かをチェック)
- 文章を読んで"映像"が浮かぶか?(細部を描写できてるかをチェック)
最後のまとめがこちら⇩
翻訳とは、自分の"思い"を知り、それを言葉だけで正しく伝えること
- 自分はなにを伝えたいのか?
- 読者になにを求めているのか?
- そのためには"思い"をどんな形にして伝えるべきなのか?
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』を読んだ感想・気付き
この本のなかの、「悪い文章」としての例がいくつか出てきましたが、自分に当てはまるものがたくさんありました。
自分の文章力の未熟さを痛感するとともに、自分の伸びしろを感じることができました!(超ポジティブ思考)
それだけ、「上手に文章を書きたい」と悩む人の的を得ている本だといえるでしょう。
そして、今回はいつもより要約が長くなってしまいましたが、それは私にとって、学ぶポイントが多かったという証拠でもあります。
また、それらの内容は著者の実学によるものということで、とても説得力を感じました。
特に『翻訳』、『読者の椅子に座る』といった独特の表現や、映画に類する例えなど、すごくわかりやすく納得でき、頭に染み込むような感覚がありました。
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』てどんな本?著者紹介
古賀史健(こが・ふみたけ)
1973年福岡県生まれ、バトンズ代表。兼ねて映画監督を夢見るも、大学の卒業制作(自主制作映画)で集団作業におけるキャプテンシーの致命的欠如を痛感し、挫折。1人で創作可能な文章の道を選ぶ。出版社勤務を経て24歳でフリーに。30歳からは書籍のライティングを専門とする。以来、「ライターとは"翻訳者"である」「文章は"リズム"で決まる」を信念に、ビジネス書や教養書を中心に現在まで約100冊を担当。シリーズ世界累計500万部を突破した『嫌われる勇気』(岸見一郎共著/ダイヤモンド社)をはじめ、多数のヒット作を手がける。2015年に株式会社バトンズを設立。現在に至る。本書は単著デビュー作となる。裏表紙の著者紹介より
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』の商品リンク
この記事の要約のところを読んでいただければ、本書の内容は把握できると思います。
しかし、著者の主張を短くまとめて書いてあるだけで、それらに対する理由や根拠については書いていません。
なので、「内容をもっと深く理解したい!」と思った方には、ぜひ本書を手に取って読んでいただくとをオススメします!
「書きたいのに書けない!」と悩む方にぜひオススメの一冊!
本書はオーディオブックやアマゾンオーディブルでも聞くことができます。
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