
今回ご紹介する本がこちら↓
『脳科学者が教えるコスパ最強!勉強法』
- 著者:上岡正明
- 発行:出版社 株式会社宝島社 2021年10月21日 初版発行
- ページ数:221
- 定価:(本体1400円+税)
- 難易度:★★★☆☆(普通)
- ジャンル:勉強法

試験を控えているんですが、何か効率の良い勉強法を教えてください!

勉強をしているけどイマイチ効果が感じられなくて、このままだと合格点に届かないのではと不安で仕方がありません。
このような悩みを持つ学生や社会人は多いと思いますが、私も同じ悩みを持つ一人です。
勉強をするためのまとまった時間をなかなかとれないので、ムダな勉強をしているヒマは無い。
そんなことを考えながら本の売り場で目に入ってきたのは「コスパ最強!勉強法」という文字でした。
なんとなく手に取ってみたら、以前に読んだ『高速読書』の著者である上岡正明さんによって書かれた本であり、そのことに驚くとともに親近感が湧きました。
『高速読書』では、とても多くの学びや気づきを得られたので、「この本も期待できるかも知れない!」と思い即購入。
読んでみると、脳科学者でもある著者ならではの科学に基づいた方法や考え方が紹介されていて、すぐに取り入れたいと思えるポイントが数多く書かれていました。
できるだけ時間をムダにせず、最短距離でコスパよく勉強したい!
そんな方へ向けて、私がこの本から取り入れたポイントをこの記事で紹介していきます。
こんな方にオススメ
- 仕事が忙しくて勉強する時間がない
- 何から勉強したらいいかわからない
- 無駄な勉強はできる限りしたくない
『脳科学者が教えるコスパ最強!勉強法』てどんな本?要約・書評
この本で最初に一番大事なこととして書かれているのが、
まず目標をしっかり定めろ!
ということ。
しっかりと目標を定めることによって、モチベーションが自然と高まります。
それに加えて、心理学で実証されている「カラーバス効果」という効果もあり、無意識で情報を認知するようになるそうです。
目標が頭の中にあればおのずと勉強しようと意識が働くわけです。
そして、その目標は達成できそうな小さな目標がいいということで、小さな成功体験を重ねて幸福感を得ることにより、さらにモチベーションが上がっていきます。
このように、勉強が効果的に行えるようになる方法を科学的根拠に基づいて書かれているのですが、そのポイントを私なりに絞ってみました!
- ドーパミンを味方につけろ!
- 効率化してムダな努力をするな!
- 集中力を上げて取り組め!
以上の3つが他の本とは差別化できる特徴であると思いました。
これらについて解説していきます。
ドーパミンを味方につけろ!

ドーパミンとは何なのか?というと意欲、運動、快楽などに関係する神経伝達物質です。
脳の全頭前野にドーパミンが作用するとやる気が高まります。
これが継続すると「フロー状態(人間がその時していることに完全に没頭し、集中している状態)」になることができます。
ドーパミンには中毒性があるので、同じ行動を繰り返すようになり、何かに熱中するわけです。
これを勉強に利用していこうというのがこの本の考え方で、ドーパミン愛好家が経営者に多いことなども紹介されていました。
先ほどの「小さな目標設定」においても、成功体験の積み重ねによってドーパミンが分泌され、そのループによってモチベーションを維持していくという仕組みです。
最近ではドーパミンは依存症の原因とも言われたりしていますが、要は使い方が肝心。
脳の仕組みを上手に使っていくことは非常に理にかなった方法であると思いました。
効率化してムダな努力をするな!

〈3日、3ヶ月、3年〉
「まずは3日やってみる」という感じで取り組み、それが3ヶ月続いたら基礎が身に付くそうです。
これが続かないなら、違うモノにフォーカスしてみることも重要で、結果の出ないことをダラダラ続けないこと。
そして、どんなものでも3年継続できればプロフェッショナルな知識と技術が身につきます。
また、続けていくなかで自分の適正も見えてくるので、定期的にプランを見直してムダな努力をしていないか?という判断が大事になります。
〈インプットとアウトプット〉
この本では、インプットとアウトプットという概念においても効率化を徹底していきます。
早めにアウトプットを行い、自分に足りないものを明確にしてからインプットすべきだとの主張で、これには私自身にとても刺さった内容でした。
自分はダラダラとテキストを読むというインプット方法ばかりしていてアウトプットがとても少ないな、ということに気付きました。
「しっかり内容を理解して覚えてから問題集」
このほうが楽しく問題集に取り組めると思っていたのですが、これって効率はよくないんですね。
近年いろんな本でインプットとアウトプットのことが書かれていますが、自分はわかった気になっていただけで、実際はわかってなかったことが本書で露呈しました(笑)。
私は実際に、ここで著者が主張してる方法を取り入れてみました。
その具体的な行動でもう少し詳しく説明します。
テキストを一通りサラッと読みます。この時の理解度は浅くてもかまいません。
次に問題集に取り組みます。すると当然理解が浅いし、記憶にも定着していないので、解けない問題が出てきます。
ここで、考えなくてはならないのが「この問題では何を問われているのか?何を理解していれば解ける問題なのか?ということ。
それがわかれば、徹底的にそこをピンポイントでインプットします。
この状態だとインプットが必要に迫られているので意欲が違ってきますし、何についてインプットすればよいのか明確です。
しかも、一度テキストに目を通しているため、どの辺りを調べればよいかがわかりますしスピーディーに取り組めます。
テキストを読んでも理解が不十分な場合に限り、YouTube動画やウェブサイトも利用して深掘りしていって理解を深めます。
こうするとムダなインプットを省けるし必要なインプットに集中できるので効率がいいというわけです。
また、効率の良いインプットとして「高速読書」という速読法についても書かれていました。
これは著者が以前出された書籍のなかで書かれているもので、このブログの過去記事でも書評を書いています。
詳細な方法に興味のある方は、こちらの記事も参考にしてみてください。↓
集中力を上げて取り組め!
近頃「ポモドーロ勉強法」という25分やったら5分休憩という方法をあちこちで聞くようになり、この本でも触れています。
しかし、著者は25分という時間設定が短すぎて半端に感じたそうで、これを応用した90分と休憩20分の時間術という方法が紹介されていました。
これは時と場合にもよるし人によって合う合わないがあると思うので、ポモドーロと使い分けるのがいいと思います。
また、制限時間を設けると高い集中力を発揮できるということで、ストップウォッチを使って計りながら勉強する方法が紹介されていました。
私はこれらを取り入れて、スマホで25分のタイマーをセットしてから勉強を始めるようにしました。
このセットするという行動がトリガーになり、集中力のスイッチが入るのでいい感じです。
また途中で集中力が途切れそうになったときでも、「アラーム鳴るまでもう少しだから頑張ろう!」という思考が働きます。
これによって設定した時間まで勉強を続けることができるようになったので、今後も継続していきたいと思います。
他にも、意識を「今この瞬間」に集中させてくれるシングルタスクメモや、成果を上げるために集中力アップするための超集中フォーカスノートなどのテクニックも紹介されていて、私の勉強法に多くの改善点をもたらしてくれた本でした!
『脳科学者が教えるコスパ最強!勉強法』を読んだ感想・気付き
私自身40歳を過ぎた現在、ある資格試験の勉強に取り組んだり、英語やプログラミングなど興味のある分野を学習したりしています。
そんななか、イマイチ勉強の効果が感じられず悩んでいたことから、この本に辿り着きました。
本書のなかで度々触れていますが、「すぐに改善するクセ、習慣をつける」ということが書かれています。
改善していくことはとても大事なことですが、改善するためには、「何がいけないのか?」に気づかなくてはいけません。
私のように、ただ闇雲に勉強に取り組み自己満足しているだけ、という人は意外と多いのではないでしょうか?
独学においては特にそうで、これに自分で気づくというのはなかなか難しいかもしれません。
この「気づき方」というものを、この本の全体を通して学ぶことができた!と振り返ってみて感じています。
『脳科学者が教えるコスパ最強!勉強法』の著者紹介
上岡 正明(かみおか・まさあき)
MBA (情報学博士前期課程)終了、18年19年多摩大学客員講師、株式会社フロンティアコンサルティング代表取締役。これまで上場企業や外資系企業を中心に800社以上の広報PR支援、新規事業構築、外資系企業の国内外PRや海外プロモーションのコンサルティング、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。大学院にてMBA (情報学博士前期課程)終了。論文等を発表しながら多摩大学、成蹊大学、帝塚山大学などで客員講師等をつとめる。脳科学とヒトの行動心理に基づく研究セミナーは人気を博し、常に2カ月先まで満員。また、投資家としても活躍。上梓したビジネス書は累計13冊。中国、台湾でも翻訳本が出版されて55万部となる。「日経ヴェリタス」を始め「週刊ダイヤモンド」「東洋経済オンライン」「プレジデントオンライン」や関西テレビ局などでも取材される。約14万人のチャンネル登録者を誇るビジネス系の人気YouTuberでもある。所属学会として日本行動心理学学会、日本社会心理学学会、日本行動経済学会、一般社団日本心理行動分析学会、一般社団法人小児心身医学会、日本神経心理学学会の各学会員(入学順)。
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